・盤質：A、その他状態： US メロディック・デス’11年 1st 輸入盤


USのメロディック・デス・メタル・バンドによる’11年1st。

Tr.1の冒頭から思わず「速っ！」って言ってしまうほどのブラスト・ビートが飛び出しますが、ギター・リフは最初から叙情的だし、クリーン歌唱も交えたサウンドなので、決してブルータルではなくメロディックさが強め。グロウルと高音掠れ絶叫、渋いクリーン歌唱を駆使するヴォーカルのスキルの高さもなかなか。ビートやテンポを切り替えるテクニカルな展開に、'90年代メロデス的な叙情的なトレモロ・リフが実に魅力的なタイトル。ギター・ソロも流麗にメロディアスに決まっています。いきなりテクニカル・デス的なリフのパートに突入する意外性のある展開なども聴きどころ。音質もクリアで分厚く実に良好。

ジャケからはメタルコア臭が漂いますが、サウンドそのものは'90年代メロデスを軸に、モダンな要素を幾分ふりかけた感じ。GATES OF ISHTARを思わせるような少し青臭さを感じさせる叙情刻みリフも素晴らしいです。手数がかなり多く、速いだけでなく印象に残るリズム・パターンを随所で決めてくるドラムはかなりの実力者。ここまで疾走感が強いと普通はもっとブルータルさや邪悪さが出るものですし、トレモロ・リフとブラスト多めだとブラック・メタル臭もするものですが、それが無くてとにかく叙情性が際立っているのがポイント。その叙情性も甘すぎないバランスなのが魅力。

本編は全8曲ながら各々4分くらいあるのでボリューム感も十分。Tr.9はMEGADETHの「Wake Up Dead」のカヴァー。もう何一つ文句の付けようがないメロディック・デスの大名盤。

【▲、デス・メタル/メタルコア・US】