・盤質：A、その他状態：薄いキズ、キズ小、デジパック ノルウェー ポスト・ブラック’15年 2nd 輸入盤


ノルウェーのポスト・ブラック・メタル・バンドの’15年2nd。


前作はディプレッシヴ・ブラックを基本にしつつ割とアグレッシヴなポスト・ブラックといった感じでしたが、今作で大きく進化。ポスト…というよりはプログレッシヴ・ブラック、もしくは普通にプログレっしヴ・メタルといった方がいい内容になっています。というのも、非常に練られた曲構成をしており、ディプレッシヴなフレーズも相変わらずあれば、メロディアスなギター・ソロに、ブラスト・ビートとトレモロ・リフによる激情溢れるパートもあり、浮遊感のあるポスト・ブラック的パートもありで実に多彩な展開でじっくり聴かせてくれます。


また、曲の尺は平均的に長めで、Tr.1からすでに8分半くらいの内容。そこに2分くらいのアンビエント・ナンバーなどが数曲挟まれたり、曲間が繋がっているところがあるなどコンセプチュアルなものを感じさせるアルバム構成。ラストに至っては13分半の大作で実に聴きごたえあり。その展開に合わせてグロウルに、地声での叫び、温もりあるクリーン歌唱に、ディプレッシヴ・ブラック系の気がふれたような叫びなど多彩なスタイルを披露するヴォーカルも見事。


展開のあるTr.1などの曲もGoodですが、焦燥感を煽る不気味なアンビエント・ナンバーTr.2、陰鬱なアコースティック・ナンバーTr.5など小曲の完成度の高さも特筆もの。展開にしてもフレーズにしてもリズムにしても、'00年前半頃のENSLAVEDみたいな雰囲気のあるTr.4、FENなどのアグレッシヴなポスト・ブラックが好きな方にオススメしたいブラスと爆走とクリーン・アルペジオが印象的なTr.6も聴きごたえ抜群。この曲はアグレッシヴさとクリーンなサウンドとのコントラストが実に見事な傑作。


ひたすらに儚いバッキングと、メロディアスなギター・ソロが素晴らしく、スロー・パート・メインながら終盤で爆走して彼方へ飛んでゆくTr.9もGood。単純にブラック・メタルや、ポスト・ブラックが好きという方よりも、ポスト・ブラック的な要素があるプログレッシヴ・メタルや、ダークなプログレッシヴ・メタルが好きな方にこそオススメな1枚。

【▲、ブラック・メタル・ノルウェー】