・盤質：S、その他状態： US 女性テクニカル・ギタリスト’97年作 輸入盤


USの女性テクニカル・ギタリストの’97年作。


TRIBAL RAGEというプロジェクト名通り、民族音楽的要素を交えたハード・ギター。Jenniferのプレイはテクニカルな速弾きを連発するようなスタイルではなく、アーミングやエフェクター、得意のタッピングを駆使した表情豊かでトリッキーなプレイと泣きのプレイを軸にしたスタイル。要所で流麗な速弾きも聴かせる押引きを心得たプレイが見事。Tr.3での巧みに音色と音程を操る変幻自在のプレイが特に印象的です。ギターのみならず、スラッピングも随所で決めるグルーヴィなベース、パーカッシヴなリズム・パターンも聴かせるドラムとリズム隊も印象的。


Jenniferのプレイ・スタイルからやはりJeff BeckやSteve Vaiといったギタリストを思わせるところが多く、Jeff Beckよりはモダンなテクニカルさがありつつ、Vaiほど派手に超絶技巧を繰り出してないといった絶妙なバランス。また、Tr.2のようにファンキーさを感じさせる曲もあれば、Tr.4のようにトロピカルな雰囲気のフレーズをベースにレゲエの要素を加えた曲もあって、まさにフュージョン・ギター・インストといった感じの不思議な雰囲気溢れる曲が魅力的です。


ギターが歌うような分かりやすくキャッチーなインストでも、超絶技巧で押しまくるインストでも無いですが、独特な世界観を表現したインストになっているのが素晴らしいところ。全7曲ながらもいずれも8〜9分あって聴きごたえ抜群です。表情豊かなギター・プレイで独自のサウンドを披露しているギター・インストが聴きたい方にオススメの名盤。特にJenniferが好きな方には絶対に聴いてみてほしい作品。彼女のギターが最もガッツリと堪能できる作品の一つと言えるでしょう。【▲、テクニカル/プログレッシヴ、・US】