・盤質：A、その他状態： UK モダン・メタル’07年 1st 輸入盤


UKのテクニカル・メタル・バンドの’07年1st。


割とプログレッシヴ・メタル扱いされているバンドですが、実際の音はそこまで複雑でテクニカルなことをしているというわけでもなく、2ndはその傾向がさらに強め。ただ、この1stではTr.2にみられるような変拍子や、手数の多いドラム、緩急ついた展開などで程よくテクニカルな要素が窺える作風になっています。中音域の太くしっかりとしたヴォーカルと、その声域に合わせた起伏のあるメランコリックな歌メロもGood。


バックで流れるキーボード・オーケストレーションも効果的に働いており、個人的には2ndよりも楽しめるなぁと思えるサウンド。曲の流れに合わせて細かく変化していくドラムが聴き応えあります。抜けの良いドラムは単純に音そのものもカッコいい。ソロはメロディアスなもの、泣き系が中心で、スリリングな速弾きはありませんが、そういうのは気にならないし、むしろメロディアスなソロが好きだという方にはしっくりくるでしょう。ただ、ソロの割合や長さは多くはないです。Tr.6、7、9の泣きのソロが素晴らしいです。


OPETHの静のパートを思わせる耽美さをもったTr.3、緩急ついたTr.4、6分と少し長めでやはり緩急付いた展開のTr.10などが聴きどころ。曲自体は全体的に4分程度と普通の長さですが、そういったコンパクトな中で地味にテクニカルさを発揮しつつ、メロディ面も充実した作品が好きな方にオススメ。モダンなヘヴィさもありつつ、切れ味の鋭さも感じさせるギター・リフもなかなかのカッコよさです。どれかといえば、'90年代以降のMARILLION、EVERGREY、WOLVERINEなどに通じる要素がある作品です。【▲、HM/HR・HM/HR・UK】