・盤質：A、その他状態：細かいキズ メキシコ ブラック・メタル’10年 2nd 輸入盤　


メキシコのデス/ブラック・メタル・バンドの’10年2nd。


前作はノイジーで刺々しい音質のプリミティヴ・ブラック下地のブラック・メタルでしたが、今作はデス・メタル的なドロドロ感を取り入れたデス/ブラック・メタルへと変化。ドロドロ感が取り入れられると同時に音質もノイジーさが無くなって丸みを帯びた質感に変化しているのが特徴的。Tr.3まではそのドロドロ感が強く、「デス・メタル化したか？」と思わせるサウンドですが、Tr.4以降は不穏なトレモロ・リフを纏ってブラスト疾走するパートが主体のブラック・メタル・サウンドがメインとなります。


Tr.3まではヴォーカルもガテラルが主体であるのに対し、その後は喚き散らすような高音絶叫ヴォーカルが主体となることからも二面性が感じられる作品です。また、イントロにオーケストレーションが入った曲や、叙情的なミドル・ナンバー、叙情的なインストがあったりするのも前作には無かった要素。そして新加入のドラマーがかなりの剛腕で、アルバム中最長の10半のTr.9等で安定感抜群の怒涛の高速ブラストを聴かせてくれます。大体の曲に展開があるものの、この10分半のTr.9はほとんどが爆走パートのかなりアツいファスト・ブラック・ナンバーに仕上がっていて大きな聴きどころとなっています。


少々路線がハッキリしない嫌いもありますが、演奏等のクウォリティは1stの頃より高く安定感は抜群。デス・メタル色もあるブラック・メタルが好きな方にオススメ。

【▲、ブラック・メタル・メキシコ】