・盤質：B、その他状態：ケースすれ スペイン ペイガン・ブラック’08年 1st 輸入盤　


何か吐き出しそうなかなりゲロゲロした非常に汚い高音掠れデス声で喚くヴォーカルに、不穏なコードで薄暗くも薄ら勇壮な雰囲気も醸し出すギターとベースのリフ、ミドル/スローなパート主体でありながらも手数多く豊富なリズム・パターンでしっかりと聴かせるドラムによる、緩急ついた展開で聴かせるペイガン・ブラック。ミドル/スロー・パートが多めという違いこそありますが、薄暗い雰囲気に微かな勇壮さと神秘性を湛えたサウンドは初期のENSLAVEDを思わせるところがあります。


壮大なキーボード・オーケストレーションをイントロとアウトロに配しつつ、疾走パート主体の15分程度の大作Tr.5では初期ENSLAVED的な色合いがかなり強く感じられます。やたらとダンディな朗唱と、掠れデス声の汚さの対比もENSLAVEDのGrutle Kjellsonをどことなく思わせます。続くTr.6も13分弱と大作主義であるところも特徴。疾走主体の曲がTr.5くらいしか無いので疾走してないとダメという方には曲が長尺なこともあってかなり厳しい作品となるでしょう。


ということで、スロー/ミドル・パート主体で音質もちょっとノイジーな渋みのあるペイガン・ブラックが聴きたい方にオススメ。やはりスローなパートでも手数が多く、疾走パートでもちょっと凝ったリズム・パターンで疾走するドラマーがいい仕事をしています。

【▲、ブラック・メタル・スペイン】